恩師の逝去に寄せて

****様

杉山淳一と申します。お母様の○○先生が亡くなられたとのこと、心よりお悔やみ申し上げます。お知らせをいただきまして、ありがとうございました。

私は今年の4月に55歳になります。○○先生は私にとって、大田区立小池小学校で、小学1年生と2年生の時の担任でした。とても優しい、第二の母のような先生でした。

もっとも思い出されますのは、「くじらぐも」という物語の感想文を書くという宿題でした。感想文というものがさっぱり理解できず、ちっとも書けず、母に諭されて夜に○○先生宅にお電話を差し上げました。

○○先生から「思ったことを好きなように」とおっしゃっていただき、こどもながら悩んだ末に「ぼくはくじらぐも」という、立場を変えて物語をなぞっただけの作文を提出しました。それを○○先生はとても褒めてくださって、授業中に披露してくださいました。私はそれで作文がとても好きになりました。

その後、中学でも高校でも国語、現代文の先生に恵まれて、大学には小論文試験で合格しました。卒業後は出版社に勤め、編集者ではなく広告営業職でしたけれども、退社後にフリーライターに転じて現在に至ります。

作文が好きで、いまは文章を書く生業です。なによりもきっかけは○○先生に褒めていただいたことでした。永遠に感謝いたします。

1996年にフリーライターとなってすぐに、○○先生が年賀状を見て、大森在住の私にご連絡をくださり、萩中の合唱の会に呼んでいただきました。卒業してから約20年、先生は「ぼくはくじらぐも」を覚えていてくださり感激いたしました。ただ、ご高齢の夫人の集まりで、ちょっと居心地が悪くて、それっきりに(笑)。

ご存命のうちに、もういちどお目に掛りたいと思っていたところでした。冥土でまた○○先生に褒めていただくため、もっともっと書いて、世の中のお役に立ちたいと思います。
2022年1月19日
杉山淳一

 

「くじらぐも」

2022年のご挨拶

ブログに書きたいこともたくさんあったんですけど、まとまった時間を得られぬまま過ぎてしまいました。ことしはもうちょっと丁寧に生きていきたい(笑) 去年も言ったな(笑) 来年から本気出す。これ去年も言った。

昨年2月に国内鉄道路線を完乗して、次の目標は世界五大陸の鉄道横断としたいところ、なかなか海外に行ける状況にないです。
ご挨拶画像、よくみると、背景が世界地図なんです……。野望が透けて見えます。
国内の旅は未乗路線にとらわれす、気楽で楽しくなってきました。

魔力の胎動

鍼灸師の工藤ナユタは、顧客の治療の場で少女、円華に出会う。円華は知人の脳外科医の娘で、風向きを読むという不思議な力を持っていた。いや、周囲は不思議と感じても、円華にとっては、研ぎ澄まされた物理計算能力を持っているだけのことだった。ナユタの顧客の悩みを、円華は客観的な物理の結果を示して解決していく。それは後に魔女と恐れられる少女の善意だった。

先に発表された「ラブラスの魔女」の前史を描いた物語だ。物理学用語で「ラプラスの悪魔」は、ある時点に起きたすべての物理的な状態を完全に把握し、未来に起きる事象を確定できる」とう力。「ラブラスの魔女」では、「ラプラスの悪魔」を持つ善と悪の戦いを描いていた。その主人公の円華の行動を確定するまでのエピソードが「魔力の胎動」という短編連作だ。

序盤は悪魔的能力を持ちつつ、当事者の心を開いていくという人情的な話だった。とてみ読み心地が良くて円華奇譚として連作、続編を期待したかった。途中から「ラブラスの魔女」のエピソードが絡みミステリー大作へ続くんだけど、「ラブラスの魔女」を読み返したい。どこやったっけ? ラプラスの魔女のその後も読みたい。


次は忍者増田さんがオススメしていた「親父の遺言」です。

戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団

新橋駅の地下に幻の新橋駅がある。これは鉄道ファンには有名なトリビアの1つ。その理由は、

浅草~新橋間の地下鉄を建設していた東京地下鉄道が、同じく渋谷~新橋間の地下鉄を建設していた東京高速鉄道の直通を拒んだため。東京高速鉄道は仮の自社駅として新橋駅を作った。その後、東京高速鉄道の五島慶太は東京地下鉄を買収し、東京地下鉄の早川徳次を追放して直通に成功した。だから東京高速鉄道の新橋駅は僅かな営業期間の後に廃止され、幻の駅になった。旧新橋駅は現在、倉庫などに使われており、一般公開はめったに行われない。

という話。多くの文献に紹介されているし、東京メトロもそんな風に紹介していた気がする。私もこの説に沿ってコラムを書いた気がするけど、鉄道トリビアにはなかった。ウラが取れなかったか、東京メトロに取材させてもらおうと思ったら断られたんだっけ? 知れば知るほど面白い鉄道雑学157に書いたかな? 

しかし、本書「戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団」の著者、元東京メトロ広報担当だった枝久保達也さんは幻の新橋駅を見て疑問を持った。「仮駅にしては立派すぎる。そもそも地下に仮の駅なんて作るだろうか」と。ここから彼の歴史探訪の旅が始まる。膨大な文献、正史をたどり「幻の駅ではなく、直通運転にとっても必要な駅だった」と解き明かす。

これは鉄道ファンや近代史研究者にとって大きな知見だ。かつて地理学者の青木栄一先生が著した「鉄道忌避伝説の謎―汽車が来た町、来なかった町」を想起する。いままで鉄道トリビアとして騙られた話の真実が明らかになった。

後半の戦中戦後編も生々しい。そして現在、東京メトロと東京都営地下鉄がしっくりしない理由もわかる。「戦時下の地下鉄」は単なる調査記録論文ではない。日本の地下鉄創世記をドラマチックに描く。私は資料として購入し、そのうちネタの参考にするかもな……なんて思っていたけれど、読み進めていくうちに物語に引き込まれ、ついに最初から最後まで読み通した。そうだな、感覚としてはミステリー小説のようにワクワクしながら読んだ。こんなに熱心に鉄道本を読むんて久しぶりだ。

小刻みな休憩で、だいたい1か月かかって読んだ。
次は東野圭吾さんの文庫新刊「魔力の胎動」です。

アホー麺とニンニクラーメンは違った

J社のTさんがニンニク好きと聞いて、川崎のアホー麺をオススメしようと思ったら閉店していた。そこでニンニクラーメンを検索したら2件出てきて、そこまでの情報をメールで送ったんですけど、オススメしたからには食べてみなくちゃね、ということで、ラーメン・中華食堂 新世 宮前店 – Rettyに行ってみた。

ここはチキンチャーハンが美味いんだ。もちろんニンニクラーメンも美味しい。だけど、川崎萬来のアホー麺とは違った。

後日、もうひとつの店に行ってみます。

ケーキの切れない非行少年たち

武田鉄矢さんがラジオで紹介していた。そのうちに読もうと思っていたんだけど、散歩で立ち寄ったブックオフの100円コーナーにあった。古本って在庫が多いほど安くなるから、かなり売れたんだろうな。

筆者は児童精神科医。非行少年と向き合うなかで、少年院には「反省できない子」「自分の犯罪を認知できない子」がいた。彼らのほとんどは知的障害。たとえば、丸い円をケーキに見立てて「三等分して」と言うと、おもむろに横一文字、建て一文字に2等分する。ベンツのマークのような絵を描けない。

本書を要約すると、ほとんどの犯罪者が知的障害を持っていて、子どもの頃に誰にも発見されず、適切なトレーニングを受けられなかった。それどころか、「できない子」として親の虐待やイジメに遭った過去があり、人格が成熟していない。知的障害はIQに関係なく、進学・就職できる人も多い。だけど「他人の気持ちが理解できない」「自尊感情が低い」などの問題を抱えており、何らかのトリガーで犯罪行為に及んでしまう。

これは大人になっても同じ。ある元政治家が政治資金規正法違反で刑務所に入った。凶悪犯ばかりかとビビっていたら、周囲は知的障害者ばかりだったという。

結論としては、子どもの知的障害になるべく早く気づいてあげること。その発達具合に合わせた教育、トレーニングをすること。そうすれぱ犯罪行為に及ばない。税で養う受刑者から、きちんと社会生活送れる納税者になる。

犯罪者は性格が悪いと思っていたら違った。そして、このことから、なんで世の中には変なヤツが多いんだろう、という疑問も解けた。ネットを燃やしてる奴ら、煽り運転する奴らは知的障害なんだね。まともな人間だと思って対応しちゃダメなんだねぇ。

あと、知能犯なんていないんだな。まともな知能があったら罪を犯さないと思う。