武田鉄矢さんがラジオで紹介していた。そのうちに読もうと思っていたんだけど、散歩で立ち寄ったブックオフの100円コーナーにあった。古本って在庫が多いほど安くなるから、かなり売れたんだろうな。
筆者は児童精神科医。非行少年と向き合うなかで、少年院には「反省できない子」「自分の犯罪を認知できない子」がいた。彼らのほとんどは知的障害。たとえば、丸い円をケーキに見立てて「三等分して」と言うと、おもむろに横一文字、建て一文字に2等分する。ベンツのマークのような絵を描けない。
本書を要約すると、ほとんどの犯罪者が知的障害を持っていて、子どもの頃に誰にも発見されず、適切なトレーニングを受けられなかった。それどころか、「できない子」として親の虐待やイジメに遭った過去があり、人格が成熟していない。知的障害はIQに関係なく、進学・就職できる人も多い。だけど「他人の気持ちが理解できない」「自尊感情が低い」などの問題を抱えており、何らかのトリガーで犯罪行為に及んでしまう。
これは大人になっても同じ。ある元政治家が政治資金規正法違反で刑務所に入った。凶悪犯ばかりかとビビっていたら、周囲は知的障害者ばかりだったという。
結論としては、子どもの知的障害になるべく早く気づいてあげること。その発達具合に合わせた教育、トレーニングをすること。そうすれぱ犯罪行為に及ばない。税で養う受刑者から、きちんと社会生活送れる納税者になる。
犯罪者は性格が悪いと思っていたら違った。そして、このことから、なんで世の中には変なヤツが多いんだろう、という疑問も解けた。ネットを燃やしてる奴ら、煽り運転する奴らは知的障害なんだね。まともな人間だと思って対応しちゃダメなんだねぇ。
あと、知能犯なんていないんだな。まともな知能があったら罪を犯さないと思う。