「こんどウチで中学生の女の子を預かることになってさ」

「こんどウチで中学生の女の子を預かることになってさ」

行きつけのコンビニのレジのオタ風お兄ちゃんが言うんです。ちょっとした会話を交わすくらいの仲になってまして。

「おいおい、ヤバイな。なんだそのラノベみたいな展開は。けしからんぞ」

「いやぁ、九州の大雨でさ、親戚の家が流されちゃって。で、丸ごと世話できる家がないから、一家離散。ウチも女の子がいるからその子を預かろうと。学校も流されて再開の見通し立たないらしいよ」

レジの兄ちゃん、若いと思ったら子供いたんだ。ちなみにバイトかと思ったら店長だったとか、わりとびっくりさせてくれるヤツ。頑張ってんな。中学生の心のケアしなきゃだね、なんて話で店を出たんだけど、こういう話を聞くと被災がグッと身近になる。

さて、Go To キャンペーンが迷走してます。なんで批判されるか、ちきりんさんの説明はとてもわかりやすいです。でもそれは世間の感情プラス、お前レバレッジ言いたいだけちゃうんかい、という話です。これだけで納得しちゃマズいよ。

Go To キャンペーンのきっかけは確かにコロナ。外出自粛で観光業がダメージを受けたから。何しろ国がインバウンドの錦の御旗を掲げて投資を煽ったから。その返済負担がのしかかる。だから国は責任を取らなきゃいけない(コレも書いてないね)。

だけど、政財界が「Go Toキャンペーンちょっとまて」という理由は主体が国土交通省だからです。オマエそんなことしてる場合かちょっと待て。平成2年7月豪雨の被害が現在進行中で未確定です。その対応はどこが主管でしょうか。交通インフラ、住宅、土砂崩れを起こした山林、洪水を起こした河川の主管は国土交通省です。予算も、人的リソースも、最優先、いや総動員しなくちゃいけない。

だからワタシは「Go Toキャンペーン」が経産省の事業なら文句は言いません。タテワリ行政は承知。省庁をまたがって予算は動かせない。でも農水省が和牛キャンペーンを口にしたとき、やっぱり叩かれたじゃありませんか。自分の省庁の所管内でできることをやろうとしただけなのに。

で、今回は、水害もGo Toもてめぇんとこ、国土交通省なんですよ。同じお財布で、しかも片っぽは使途の全額がわからない。その状態で旅行キャンペーンに予算を使うんですか?

これ要するに国土交通大臣がダメなんですよ。先代もそうでしたが、官邸から言われたら「そうですね」、官僚から言われたら「それでいいよ」。そんな態度だから辻褄が合わなくなる。そういう話をひっくるめて、国土交通大臣を傀儡政党にやらせちゃだめと思うんだよね。リニアも長崎新幹線もみな同じ。頼むから国交大臣は総理と同じ政党で、ツーカーの仲の人にやってもらいたい。

観光業界がダメージを受けています。それは承知。私のまわりにも従事する方はいらっしゃいます。極論すれば、大都市の鉄道以外はすべて観光業界といっていい。だから、「Go To キャンペーン」は「一縷の光」というかたもいらっしゃる。でもね、一縷の光さえ届かず、真っ暗闇の中の人々がいます。そこに思い至りませんか。

私が行きたい旅行先のほとんどが闇の中です。旅行資金を援助してもらっても、使うところがありません。だから中止ではなく復旧まで延期しましょうよ。むしろ旅行好きな人は政府の援助がなくたって動く。

そういう人たちの心意気を受け取るために、旅行業界は知恵を絞りましょう。鉄印帳は完売ですよ。増刷もされています。国の支援はありがたいけれど、旅行業界は知恵と手間で戦える人がいます。だからちょっとくらい後回しでも、被災地支援が先です。

もちろん両方しっかり手当てしてくれるなら文句言いませんけどね。いまの国交省はぜんぶちゃんとできたことがないんで信用できません。

これが問題の本質です。

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