『それまでの明日』

作者さんには失礼だからナイショにして欲しいんだけどトイレ読書で。ラスト10ページはもう読み切っちゃおうとデスクで昼食後に。淡々としたハードボイルドで序盤の事件以外は大きな山場なし。でも探偵・沢崎の孤高な生き方や警察とヤクザとの会話はおもしろい。

そういう探偵の暮らし、生き方を楽しむ話だと思ったら、最後の1ページじわっと涙が。それはズルいんじゃないかと思いつつ、ここを表現するために、著者もずっと抑揚を耐えて書いていたんだと思う。「それまでの明日」って、そういう意味なのか。最後の最後にわかった。たぶん、原尞さんは14年かけて書いたんじゃなくて、ラストシーンが浮かんで2年くらいで書いたんじゃないかな。

原尞さん作品はすべて読んでる。きっかけは新宿であった実際の事件によく似ていると話題になったから。前作は2004年の発表で今作は14年ぶりの新作。私は文庫派だったけど、10年ぶりくらいの新作が嬉しくて単行本を買った。でも忙しくて積みっぱなしにしていたら去年、文庫も出てた(笑)。文庫版は著者の後書きがあるみたい。どうして書こうと思ったか、あの件が無かったら書かなかったか。気になる。過去作はすっかり忘れているので、作中の登場人物の背景とか事件の部分はどうだっけなーという感じ。だから今作から読んでも大丈夫。むしろ過去作を読み直したくなったし、ここから読み始めて気に入ったら「さかのぼり読み」もいいと思う。


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